【山怖】君の死後、僕と契約してよ!結果大変な事になった

古来より日本では山は信仰の対象であり、神々の住まう場所とされてきた。山の神についての伝承は各地域により様々で、人々を守る神様もいれば邪神のような恐ろしい神様の言い伝えがある地域もある。

本来、人間と神様は交わることがないが、まれに「魅入られる」人がいるのも事実。

今回の話は、山の神様と契約を交わした男の昔話である。

ジャンル:山にまつわる怖い話
怖さ:★★☆☆☆
長さ:★★☆☆☆

山の神様との契約

彼の先祖に、羽振りの良い男衆がいたのだという。
猟師でもないのに、どうやってか大きな猪を獲って帰る。
ろくに植物の名前も知らぬくせに、山菜を好きなだけ手に入れてくる。
沢に入れば手の中に鮎が飛び込んでき、火の番もできぬのに上質の炭を持ち帰る。
田の手入れをせずとも雀も蝗も寄りつかず、秋には一番の収穫高だ。

彼の一人娘が町の名士に嫁入りする時も、彼はどこからか立派な嫁入り道具一式を手に入れてきた。
手ぶらで山に入ったのに、下りてくる時には豪華な土産を手にしていたそうだ。

さすがに不思議に思った娘が尋ねると、
「山の主さまにもらったのだ」
と答えた。
その昔、彼は山の主と契約を交わしたのだという。
主は彼に望む物を与え、その代わり彼は死後、主に仕えることにしたのだと。

何十年か後、娘は父に呼び戻された。
彼は既に老齢で床に伏せていたが、裏山の岩を割るよう、主に命じられたという。
娘は自分の息子たちを連れ、裏山に登った。
彼の言っていた岩はすぐに見つかり、息子が棍棒で叩いてみた。
岩は軽く崩れ割れ、その中から墓石と、白木の棺桶の入った大穴が現れた。
誰がやったのか、彼女の父の名がすでに刻まれていた。
話を聞いた彼は無表情に呟いたそうだ。

「埋められる所まで用意してくれるとは思わなんだわ。」

それからすぐに彼は亡くなり、まさにその墓に埋葬されたのだという。
数年後、娘の夢枕に父親が立ったのだという。
老いた姿ではなく、若々しい男衆のままの姿形であった。
彼はなぜかまったく余裕のない表情をしていた。
彼女が懐かしさのあまり声をかけようとすると、彼は怖い顔でそれを止めた。
そして一言だけ発して、消えたのだという。

「お前たちは、絶対に主と契っちゃならねえ。」

翌朝目を覚ましてからも、彼女はその夢を強く憶えていた。
一体父は死んだ後、主の元でどんな仕事手伝いをしているのだろう?
その時、隣で寝ていた夫が起き上がり彼女に話しかけた。
夫の夢にも、養父が現れ何かを告げたのだそうだ。

しばらくして彼女の夫はその山を買い取り、全面入山禁止にした。
しかし、その理由は妻を含め、誰にも教えなかったという。

参考:NAVERまとめ

山の神様との契約 解説

神というのは最高位レベルの存在であるため、魂レベルがかなり劣る人間と契約しても意味はないため、本来であれば契約を持ちかけられることなどありえない。
しかし、邪神に近い神や神に化けた悪魔であれば話も変わってくる。

話の主人公の男は神に化けた悪魔と契約を交わしてしまったのか、本当の神との契約であったのか、また、死後どのような任務に就いているのかは明らかにされていないが、良くない契約であったことは伺える。

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