悲しき言い伝えのある洞窟と平家の血筋

壮絶を極めた源平合戦。
壇ノ浦の戦いに敗れた平家一門は日本各地に散り隠れ住んだとされ、現在、平家の隠れ家とされる場所はたくさんある。

今回の話は、平家の血筋にまつわる恐怖体験である。

ジャンル:怖い話
怖さ:★★★★☆
長さ:★★★☆☆

悲しき言い伝えのある洞窟と平家の血筋

これは、山陽の某洞窟で体験した話です。長いですがお許しください。

いわゆる、秋のオートキャンプだった。
大学の寮内バカメンバーだった広島のヤツらと3人で、山陽にあるオートキャンプ場で、久しぶりに集まって一杯やろうか!という話になった。
テントやらコンロやらをワゴンに詰め込んで、車内で昔話で盛り上がってるうちに、山奥のすばらしいキャンプ場に着いた。

テントを張って、晩飯の仕込みをし、その間にも昔話で盛り上がってた。
そうこうしているうち準備も終わり、まだ時間があるんで、
ちょっと周辺を観光しようか、という話になった。
ドライバーのヤツは、寝とくわと言ったので、二人で散策することにした。

キャンプ場からものの5分のところに、大きな洞窟が口をあけていた。
古びた看板を読むと、こんなことが書かれていた。
「ここは、源平合戦のおりに、平家一門が隠れ住んでいたという伝説がある洞窟です」と。
そして看板のそばには、小さな祠がまつってあった。

へぇ~、こんな薄気味わるいとこに、よう隠れとったなぁ。
そうじゃの~。なんて会話してて、ふとそいつに話したくなった。
「オレのご先祖に、平家の落人がいるらしいで」
そいつは、ふ~ん、と流した。本当のことなのになぁ。

そのときだ。オレの頭の中に言葉がささやくようにひらめき、 つい口をついて出てしまった。
「…おごれる平家は、久からずや。おごれる源氏もまた、久からずや。…世は、なべて諸行無常なり……」
低い声だった。自分でもびっくりするぐらい。
でも、ヤツは聞いてなかったかのようだった。

じゃ、洞窟の奥に入る前に写真を撮るか、と、ほこらと看板の前に立ち、入れ替わるようにして2枚撮った。
写真を撮りながら奥に進むと、いっそう不気味さは増した。
洞内のランプが途切れたその先は、飲み込まれそうな暗黒だった。
さすがに、これは進めないと、オレ達は引き返し、テントに戻った。

楽しい宴だった。ただ、ものすごい冷たい風に、みんな毛布にくるまってたが…。
そうこうしているうちに、眠くなり、テントに潜り込んで爆睡してしまった。
そして翌朝、気持ちのいい朝だった。
みな早く起きたので、きのう残っていたヤツに、洞窟に行こうと誘ったのだが、めんどくさいとぬかしたので、また昨日のヤツと行ってみた。
2度目なので、今度は怖くはなかった。

20分ほどでテントに戻ると、残ってたそいつがニヤニヤしていた。
「なんや?」
「おまえらのー、中でエッチなことしとらんかったか?」
「おいおいホモじゃねーよ!」
「いや、おまえらのすぐ後ろに、女がくっついて歩いとったぞ」
「…どんな女?」
「そーじゃのー、髪の長い美人じゃった」
またこいつ、昔の悪いクセが出たなと、オレ達は軽く流してやった。
「うんうん、いっぱいしてもらったよ」
「えーのぉ」

数日後、できあがった写真を見て、我が目をうたがった。
ほこらの前の、同じ場所で撮った2枚の写真だった。
最初に写ったオレのまわりは、ただの洞窟の岩肌だ。でも、
同じ場所に立った友人の写真は、なんとも言いがたいモノが写っていた。

友人の右ひざに、15センチくらいの男の顔。
右斜め前に、烏帽子のようなものをがぶった2メートルくらいの男の首が横たわっている。
そして、友人の背後には、4~5メートルくらいの、女官のような長い髪の、巨大な女の顔。
源平合戦絵巻に出てくるような、武士や女官にそっくりだった。
その他、いろんなものがぐちゃぐちゃに混ざって、白いもやと共に写っていた。

……これは心霊写真か?
冷静だった。人間、本当に恐怖を感じると、感覚がマヒしてしまうことが、わかった。

すぐに電話した。いっしょに洞窟に入った友人は、「そんなのいらん」と言って、怒ってしまった。
もう一人の残ってたヤツに電話したら、「ぜひくれ!」というので、そっちで処分してくれ!と、速達でネガごと写真を送ってしまった。

数週間して、そいつから電話があった。
ヤツはそれを会社に持って行き、大反響だったそうだ。
おいおい知らんぞ…。
そして、あのあと気になっていた事を、思い切って聞いてみた。
「あのな、オレ達のあとに女がついて来たって言ってたな」
「うん、おったで……あ」

その後、彼はネガごと写真を紛失してしまった。

そのあとに、我々に起きたことは、書きたくない。
ただ、オレは数年後ひとりで、再びあの洞窟に行き、ほこらにお酒をそなえて「ごめんなさい!ごめんなさい!」と、謝ったおかげか、今のオレ達には、とりあえずは不幸は来ていない。

おそらく、オレは平家の血を、本当に引いているのだろう、
そう実感した、出来事でした。

参考:NAVERまとめ

悲しき言い伝えのある洞窟と平家の血筋 解説

洞窟を訪れた平家の血を引くという男性がつぶやいた言葉は平家物語の一説に良く似ている。
壇ノ浦の戦いから800年以上経った現代においても平家の無念はまだ消えていないのであろう…。

余談だが、管理人の知り合いにも平家の末裔の女性がいる。
自分の血筋についてまったく知らないという人は、機会があればきちんと自分の先祖について勉強したほうが良いかもしれない…。

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