新小岩駅の怪異 自分の腕を探す謎の男

駅は毎日沢山の人が様々な気持ちを持ち往来している。
世界的に見ると日本はインフラ整備が非常に進んでいるので駅の利用率は非常に高く、利用率世界一の新宿駅を筆頭に日本の駅が上位を独占している。
しかし、駅を利用しているのは人間だけとは限らない。

今回の話は、新小岩駅で出会った謎の男にまつわる怪談話である。

ジャンル:乗り物にまつわる怖い話
怖さ:★★★☆☆
長さ:★★☆☆☆

新小岩駅の怪異 自分の腕を探す謎の男

ちょっと前のことだが、JR新小岩駅のホームで変な男を見た。
サラリーマン風の男は、

「僕の腕知りませんかー」
「僕の腕知りませんかー」

と甲高い大声を上げながらホームを行ったり来たりしている。
ちらほらとまばらにいる他の乗客は無視しているのか、男を見ようともしない。
左右どちらだったか思いだせないのだが、男は片腕がないようだった。
スーツのアームホールがひらひらとたなびいていた。

男から目を離し、携帯を見ている間にどこかにいってしまったのか、男の声は聞こえなくなった。電車到着の放送が流れ、ホームに向き直すと、 耳元で、

「知りませんかあ?」

男の顔が俺の顔のすぐ横にあった。
俺は腰を抜かしそうになった。

パァーッと警報が響き、直後に電車がホームに入ってきた。
よろめいた俺は白線の外に出てしまっていたようだ。
一瞬のことだった。

しかし消えてしまったかのように男はいなくなっていた。
男の吐息が耳元に残っている。絶対に気のせいではない。
回りの視線がちょっと気になったので、電車は一本見合せた。
ホームをよく見て回ったが、男の姿はなかった。

以来その男は見ていない。

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